MFCの生殖補助医療胚培養士(エンブリオロジスト※)
MFCリプロダクティブユニットにある培養室は、挙児希望のご夫婦の生命ともいえる貴重な卵子や精子、あるいは、受精卵をお預かりし、大切に育む、当院の心臓部です。培養室内はNASA基準の最高水準をクリアした空調(除粒子/除臭/持続陽圧/安定温度)に維持されています。普段は見ることが出来ませんが、この室内は、卵子や精子、受精卵が体の外にいる間、可能な限り体内環境に近づけるべく様々な工夫やこだわりに満ちた我々の自信作でもあります。また、卵子や精子、さらに受精卵を培養する体外培養器や培養液も現有最高水準にとことん拘っています。もちろん、施設・装備だけに拘っているわけではありません。我々MFCの胚培養士は、院長の友人であるオーストラリアの生殖医療専門施設の専門家からの直伝による技術や思想を以て、精子や卵子、受精卵に出来るだけダメージを与えないように、優しさ、迅速さ、的確さといった、レベルの高い手技を保つことを常に心掛けています。ご夫婦の「生命」をお預かりした瞬間からお返しする時まで、彼らが心地よく健やかに過ごし、その結果、多くの方に赤ちゃんが授かりますよう、生殖医療部スタッフは心を一つにし、日々頑張っております。
- ※国内では「胚培養士」と呼称されていることが多いですが、国際的な観点では「エンブリオロジスト」と称されます。どちらも同じ意味合いです。
胚培養士の資格取得について
胚培養士の資格(学会認定資格)は、日本卵子学会、日本臨床エンブリオロジスト学会で取得可能です。
- ●日本卵子学会
- ●日本臨床エンブリオロジスト学会
- ※上記学会の規約に沿った受験資格を得るまでには、院内での技術・知識・経験等の取得の過程で2年程度の期間が必要となります。
- ※当院は日本卵子学会の資格認定制度に准じ「胚培養士」の資格を得ています。
生殖医療部の活動
[学連学会]
国内の学会、研修会への参加
主な学会:日本生殖医学会、日本卵子学会、日本受精着床学会、日本臨床エンブリオロジスト学会、日本IVF学会、その他関連学会、研修会多数
海外の学会、研修会への参加
主な学会:アメリカ生殖医学会(ASRM)、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)、オーストラリア不妊学会(FSA)、その他関連学会、研修会多数
[研究]
2003年より当院が独自に開発したhigh Resolusion time-lapse cinematography(非侵襲的初期胚連続観察のための体外培養装置)を用いたヒト初期胚発生過程の研究を続けており、ヒト生命誕生の機序に関連する新知見を次々と解明しています。 今や生殖医療分野において、世界中の生殖医療研究者が注目する研究として発展し続けています。さらに、2011年4月より、ヒト初期胚を用いて、まさに世界初の基礎研究を開始します。これらの研究は、ヒトの生命がどのような過程を経て誕生し、成長して行くのかという、人類の究極の謎を解明することに繋がり、生殖医療の発展、ひいてはご夫婦の願いに応えるための大きな活動となることでしょう。 ※これらの研究は「日本産科婦人科学会」の承認を受けています。